統合失調症の大脳皮質下領域の特徴を発見
淡蒼球の体積に左右差がある
概要
大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太准教授、東京大学大学院医学系研究科精神医学分野の岡田直大大学院生、笠井清登教授らの研究グループは、統合失調症において、大脳皮質下領域に存在する大脳基底核のひとつである淡蒼球の体積が健常者に比べて大きいという既知の報告を再現するとともに、その健常者との差に左側優位の非対称性が存在することを、新たに見出しました。
本研究成果は、統合失調症における神経回路の左右差の異常を示唆し、統合失調症の病態解明の一助となることが期待されます。また、大脳基底核は動機づけや意欲などに関わるとされ、そうした障害により社会生活が困難となり苦しまれている当事者の方の病態理解や、治療開発への一歩となります。さらに、この発見は日本の37研究機関からなる認知ゲノム共同研究機構(COCORO)による多施設共同の成果として得られたもので、今後のさまざまな多施設共同研究の推進に大きく寄与するものと期待されます。
リリース日
2016年1月15日
掲載紙
Molecular Psychiatry
新聞報道
- 朝日新聞「統合失調症 脳の左右差にカギ」(2016年1月21日 朝刊17頁)
- 日刊工業新聞「統合失調症 脳内に特徴 淡蒼球左右に差」(2016年1月20日 30頁)
- 日本経済新聞「統合失調症 脳体積に違い」(2016年1月20日 夕刊14頁)